マダム・ピュイグ=ロジェといえば、日本の音楽教育に多大な足跡を残したフランスのピアニスト=オルガニスト=作曲家=音楽教育家。一人でこれら全てにおいてプロフェッショナルな驚くべき音楽家です!私は残念ながらお目にかかったり教えを受けるチャンスはありませんでしたが、先輩方の多くは直接習ったりその演奏に触れたりできたそうで、羨ましい限りです。

最近、楽器やで見つけた《ある「完全な音楽家」の肖像》という、マダム・ピュイグ=ロジェの残した記事や公開講座の記録などを集めた本を読んでいたところ、たまたま友人が‘facebook上でこのインタビュー動画を紹介してくれたのでブログにシェアさせてもらいます。フランスで学んだこと~ただ単に上手にピアノを弾くだけではなく、和声や音楽史、即興演奏などのスキルを身につけ「コンプリートな音楽教育」を目指すことの大切さを思い出させてくれる本です。

本の中から、小さな子どもを教育する上で役に立ちそうな覚え書きをいくつかご紹介しますね。

・高度な教育はその大半が子供のころの教育、つまり初等教育のいかんにかかっています。

・音楽は頭で、つまり耳を使って頭脳の学ぶものです。ところが、子供に教える際に、目を使って指で覚えさせることが多いのです。テクニックは手段にすぎず、それ自体が目的となるべきではありません。

・「聴覚教育」・・・音符を読むことを覚える前に、子供は音を聴くこと、音の高さと音の質を聴くことを学ぶべきです。優しくていねいに、ピアノを友と思い、自分の犬や猫や人形と同じように優しく扱わなければなりません。

・「指の独立」・・・指はそれぞれが別の人物だからひとりで歩かなければなりませんよ、と言い聞かせる。

・幼い子供には、けっしてフォルテで弾かせてはいけません(指骨が弱いから)。長い曲も弾かせてはなりません。常に曲を変え、型にはまらず速く覚えることを習慣づけ一つの曲に慣れっこにさせないこと。

・音楽の勉強は楽しみでなければならず、苦しみであってはいけません。

・手首はつねに垂直な動きになるように。同時に横方向の動きの練習も同じくらい重要です。

・練習曲か指の訓練か?⇒指の訓練は数小節に要約され難しさを克服できるようにできています。一方練習曲は、たとえば4、5ページもオクターブを弾き続けるというような持続力を養うためにしか有益ではない。

・腕をゆすって弾くことを放置してはいけない

・音階の最後にとってつけたように弾くカデンツは時代遅れ。子供のうちから時代別の和声語法の違いが感覚的になんとなくわかるように気付かせること。etc

ピアノ教育に携わる方には.一読をおすすめする本ですよ!

Comments are closed.